心臓血管外科研修プログラム(後期専門科研修)
 ■研修期間:

 3年
 ■当科の特徴:

 当科は栃木県内の心臓血管外科施設ではもっとも症例に恵まれ、先天性心疾患、後天性心疾患、血管疾患(大血管、末梢血管)をバランスよく習得できることである。また希望者は関連大学の指導のもとに、論文をまとめて博士号を取得することもできる。
 ■研修目標:

 高い倫理観を持ち、質の高い安全な医療の推進に取り組む心臓血管外科専門医を育てると同時に、3年間で心臓血管外科専門医取得に必要な単位数をみたし、将来自立した心臓血管外科医の基礎を作ることを目標としている。
 ■研修内容:
3年間の研修において(卒後5〜7年目)で以下の基本的知識、技術の習得をする。
1. 基本的知識
 心臓血管外科手術に必須の解剖の理解、各疾患の病態と検査所見の理解、心臓疾患・血管疾患に関する症状と理学的所見、画像検査(X線、CT、MRI、経食道を含めた心臓超音波検査)、生理学的検査(負荷を含む心電図検査、呼吸機能検査、動脈血液ガス分析)、心臓血管造影法、心臓血管カテーテル検査法、心筋シンチ、RI検査など理解し習得する。循環器系の薬剤の知識を身につけて正しく処方する。
2. 心臓血管外科の治療及び管理
 指導医のもとでICU管理を含む心臓血管外科疾患の管理治療を修得し、症例検討会でcase presentationをおこなう。呼吸管理(気道確保、人工呼吸器の着脱の時期を判断、実施)、循環管理(血行動態の各データの判読と状態に応じた管理、緊急時は不整脈の判読と心肺蘇生、薬物、ペースメーカー、除細動などの適切な治療の選択と実施)、腎不全の管理(腹膜透析、血液浄化法の理解と患者管理)、合併症の管理(心臓血管科関連合併症の診断と治療方針の決定と実施)。
3. 体外循環、その他の循環補助装置
 人工心肺装置の原理を理解し臨床工学技士と共に回路の組立及び操作法を修得する。併せて心筋保護法も修得する。IABP, PCPSの原理、適応を理解し、装着・管理する。
4. 人工臓器の理解と管理
 人工弁、人工血管、ペースメーカーを熟知して患者管理をする。
  A、外来業務:
1. 原則として通常の初診、再診外来は担当しない。但し指導医の指導のもとで、ペースメーカー外来を担当する。
2. 時間外、土日、祝日の拘束、副拘束の任にあたり、指導医のもと、救急外来での対応を研修する。
  B.病棟業務:
 卒後5年目〜6年目の研修期間は原則として指導医(主治医)のもとで担当医として研修する。但し、心・大血管以外の疾患では6ヶ月間は担当医、その後は主治医となる。卒後7年目はチーフレジデントとして主治医となる。
  C.手術:
卒後5年目(専門医制度の規定の手術点数、年間100点を目標)
1. 基本的手技の修得;開胸、閉胸術、血管吻合術(大腿動脈などの中口径動脈)、大伏在静脈採取、カニュレーション(大腿動静脈)、胸腔ドレナージ術、心嚢ドレナージ術
2. 助手:難易度A(以下心臓血管外科専門医制度の規定)に該当する手術の第1助手、難易度B、Cの第2、3助手を原則とする。
3. 術者(難易度A, Bの一部、修練医の技量に応じて);動脈血栓除去術、内シャント術、末梢血管手術(大腿動脈以下のバイパスなど)、永久ペースメーカー植込み術、動脈管開存症、腹部大動脈瘤(腎動脈分岐末梢で非破裂例)
卒後6年目(年間150点を目標)
1. 基本的手技;体外循環症例のカニュレーション、radial arteryの採取
2. 助手;難易度A,Bに該当する手術の第1助手、難易度Cの第2助手
3. 術者;心房中隔欠損症及び、腹部大動脈瘤
卒後7年目(年間200点を目標)
1. 基本的手技;体外循環症例のカニュレーション、内胸動脈の採取
2. 助手;難易度に関係なく第1または2助手
3. 術者;心室中隔欠損症(体重10kg以上の軽症)、ファロー四徴症(肺動脈形成が必要ない軽症例)、単弁置換術(大動脈弁閉鎖不全、軽症の僧帽弁狭窄症、閉鎖不全症、CABG(体外循環症例で1〜2枝バイパス)
 ■学術活動ほか:
1. 主要学会総会へ年1回参加を義務
2. 学会総会で演者として、卒後6年目以降は年1回を目標とする
3. 地方会(研究会)で演者として、年2回を目標とする
4. 筆頭論文を年1編執筆することを目標とする