神経内科研修プログラム(後期専門科研修)

  研修期間:

3年

 ■当科の特徴:

 当院神経内科は日本神経学会が認定する教育施設である。当院で2年間以上研修すれば日本神経学会の専門医試験を受験する資格が得られる。日本神経学会の定めたガイドラインに基づき、神経内科の臨床をまったく経験していない人を神経内科専門医のレベルまで指導する。
 入院は急性期脳卒中患者を中心に主として神経救急的側面が強い傾向がある。一方外来は、神経難病や慢性期脳卒中、頭痛、てんかん等と対象疾患は幅広く一般的な神経内科の外来と言える。
 スタッフは現在3名すべて日本神経学会専門医で栃木県では数少ない(全県で6施設)「日本神経学会教育施設」の認定を受けている。

 ■研修目標:

1、 当院神経内科では、単に臨床の経験を積むだけでなく、個々の症状や検査所見を病態生理に基づき総合的に理解し、病態が不明の患者さんを前に正しい道筋で診断と治療を組み立てていくことが要求される。
2、 このプログラムでは、まず神経領域以外の内科疾患についての前期専門科研修を行った後に、神経疾患の診断・治療に関する知識・技能を修得する事を目標としている。
3、 当院は日本内科学会、日本神経学会認定の教育施設であり、本プログラム研修者は、日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医の受験資格を得ることができる。 ただし、受験資格には学会入会期間の条件もあり、日本内科学会認定内科医は日本内科学会入会期間が3年以上、日本神経学会専門医も日本神経学会入会期間が3年以上あることが必要である。 本プログラム研修者は、研修修了時までに日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医試験に合格し、その資格を取得する事が目標である。 又、脳卒中診療が中心のため脳卒中学会専門医も同時に取得可能になる。

 ■研修内容:

 日本神経学会のガイドライン(神経内科卒後研修到達目標)を基礎として、臨床神経、治療、臨床神経生理、神経放射線、検査室検査、神経遺伝、神経病理、関連臨床各科(脳神経外科、小児科、精神科)、医療福祉の9領域を3年間で研修し、終了時には日本神経学会専門医の受験資格を可能にする。詳細については日本神経学会が作成した「神経内科卒後研修到達目標」を参考にすること。

  A、外来業務:

<卒後5年目〜7年目>
 原則として外来を週1単位担当する。
 神経内科外来研修で習得すべき症状、疾患、検査について以下にあげる。
症状:
 一過性の意識障害・頭痛(特に慢性、反復性頭痛)、神経痛、めまい、しびれ、振戦などの不随意運動、筋萎縮と筋力低下、歩行障害、痴呆(認知症)など
疾患:
 脳血管障害慢性期(後遺症対策と再発予防)および無症候性脳血管障害、機能性頭痛(緊張型頭痛、片頭痛など)、三叉神経痛、末梢前庭疾患、てんかん、パーキンソン病、アルツハイマー病、本態性振戦、その他の神経変性疾患(特に脊髄小脳変性症)、末梢性顔面神経麻痺、局所ジストニア(眼瞼痙攣、半側顔面痙攣、斜頚)、脱髄疾患、末梢神経、筋疾患、脊椎・脊髄疾患、神経症とうつ病、内科疾患に伴う神経障害など

  B、病棟業務:

<卒後5年目>

1、 神経内科病棟にて指導医(主治医)のもとに担当医として入院患者の診療を行う。神経学的診察法とその所見の解釈は1年目で習得すべき必須項目である。
2、 脳神経外科との合同カンファレンスなどへ参加する。

<卒後6年目>

1、 原則として1年間を通じて神経内科病棟において医長のもとに担当医として入院患者の診察にあたる。
2、 神経内科病棟ローテーション中は指導医とともに他科からの神経内科コンサルテーションに応じる。

<卒後7年目>
 神経内科病棟において医長のもとに主治医として入院患者の診療にあたる。また、神経内科病棟をローテートする初期研修医の指導にあたる。
病棟研修で習得すべき主な症状、疾患、検査について以下にあげる。
症状:
 意識障害(頭蓋内圧亢進を含む)、頭痛、めまい、けいれん、痴呆(認知症)、その他の高次大脳皮質障害(失語・失行・失認)、神経眼科的徴候(視野障害、複視など)、筋萎縮と筋力低下、しびれ、不随意運動、歩行障害、排尿障害など
疾患:
 脳血管障害急性期、てんかん、失神(特に血管迷走神経反射性失神と起立性低血圧)
末梢前庭疾患、パーキンソン病とパーキンソン症候群、その他の神経変性疾患(脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症など)、痴呆性疾患(アルツハイマー病などの認知症)、脱髄疾患(多発性硬化症など)、末梢神経、筋疾患(ギラン・バレー症候群、多発筋炎、重症筋無力症など)、脊椎、脊髄疾患、中枢神経感染症、内科疾患に伴う神経障害、悪性腫瘍に伴う神経障害など
習得すべき診断・検査:
 髄液検査、頭部CT、頭部MRI、脳SPECT、脳血管撮影、頸動脈超音波検査、脳波、筋電図、筋生検、末梢神経生検など

  C、検査業務:

<卒後5年目>

指導医のもとに、髄液検査、神経放射線診断(頭部CT、MRI、SPECT、脳血管撮影)頸動脈超音波検査の基礎的事項、技術を学ぶ。特に頭部CTの読影に関しては1年目の間に習得することが必須である

<卒後6〜7年目>

各種神経放射線検査(頭部CT、MRI、SPECT、脳血管撮影)、頸動脈超音波検査の診断をスタッフと分担して担当する。指導医のもとで、神経生理学的検査(脳波、筋電図)の基礎を学ぶ。

  D、学術活動(卒後5〜7年目):

1、 主要学会総会への参加:年1回以上の参加を義務とする。
2、 主要学会総会で演者として発表する:卒後6年目以降は年1回を目標とする。
3、 地方会及び栃木県内の研究会で演者として発表:年2回を目標とする。
4、 筆頭論文:年1編を目標とする。