栃木県済生会宇都宮病院で初期臨床研修、総合内科 総合医コース、
家庭医コース、救急診療科研修を検討中のみなさんへ
 2007.9 New!
ネットで病院見学
 当院は地域のみならず全国から初期臨床研修医(1−2年目)、レジデント(3−5年目)を公募しております。全国から病院見学に来ていただくのは休暇をとったりする都合上制約も多いでしょう。そこで、実際に病院見学に来ていただく前に、インターネットで当院の概要につき公開することにいたしましたので、参考にしてください。
第1章 病院の概観・施設見学
 ■まず病院の外観です。
正面玄関には専門診療科別に医師の名前が掲示されています。
当院はさまざまな教育病院の指定病院機能評価を得ており、質の高い研修ができます。
 ■それでは見学を始めましょう!
 まず、3階西の救急病棟に集合です。日曜祝日を除く毎日朝8:30から救急カンファランスが行われています。総合内科または救急診療科医師が司会進行を行い、内科専門医、外科専門医、その他の診療科医師が参加し、救急病棟に入院したすべての患者さん(1日5−20名)につき、入院時の経過、検査データ、CTやMRIなど画像の供覧を行い、見落としがないか、適切な診療科につながっているかをチェックします。たとえば、内科で入院していた手術適応のある腹膜炎がいれば、その場で外科に転科になります。
およそ30分間でカンファランスは終了します。
 それでは、エレベーターに乗って、最上階である9階に行ってみましょう。
 南側は、宇都宮市街が広がっており、大型ショッピングセンターや宇都宮駅からは車で約10分と至近です。病院のすぐ近くを東北新幹線が通っています。
 北側は、晴れている日には田園風景の先に日光連山を望むことが出来ます。東京の大学を卒業したある研修医は、稲の一生を毎日眺めることが出来てよかった!と当院の環境の素晴らしさを表現しました。
 9階東病棟は特別病棟になっています。応接セットや小キッチンなどがあり、ゆったりとした療養環境です。
 9階西病棟は緩和ケア病棟(ホスピス)です。末期がんの患者さんで原則告知されている方を対象としています。こちらも大部屋と個室があります。モルヒネなどを上手く処方して苦痛の緩和を行っています。
 静かな時間をすごすために瞑想室が用意されています。また、死期が迫った患者さんの家族室として、和室が用意されています。
 デイルームでは、季節ごとに装飾がなされ、ボランティアの皆さんによる楽器演奏なども行われます。
 病院の運営は、このようなボランティアさんの協力による部分もあることを忘れてはなりません。
 電話ボックスも車椅子で入り、家族とゆったり会話が出来るような仕様になっています。
 共用のキッチンもあります。
 ここからは、1フロアーずつ階段を下りながら説明していきましょう。
 8階西病棟は、半分が婦人科、半分が内科の病棟となっています。
 従来婦人科メインの病棟であったためか、女性患者さんがやや多めです。
 婦人科疾患、市中肺炎、尿路感染症、呼吸器疾患などの患者さんが入院します。
 8階東病棟は、整形外科の病棟です。
 7階西病棟は、耳鼻科・泌尿器科の病棟です。時々内科でベッドを借りることもあります。
 7階東と6階東病棟は、一般外科・眼科・皮膚科・形成外科の病棟です。
 6階西病棟は、消化器内科および血液科の病棟です。
 5階東病棟は、呼吸器、腎臓、糖尿病の混合病棟です。
 5階西病棟は、脳神経センター(神経内科・脳神経外科)です。
 4階西病棟は、産科病棟、4階東病棟は小児科の病棟です。合併症妊娠(たとえば糖尿病や喘息など)の妊婦さんが入院すると内科医も診察に伺います。NICUも併設しています。
 3階東病棟は、循環器センター(循環器内科・心臓血管外科)です。CCUを退室した、心血管系の病態が概ね安定しつつある患者さんが主に入院します。
 1階は外来エリアです。放射線科やリハビリテーションセンターもあります。
 続いて、救急外来に行きましょう。こちらは栃木県救命救急センターが済生会病院内に併設された形になっています。
 年間5000台以上の救急車が来て、重症度も高い患者さんが多いです。専任の救急専門医が研修医・レジデントを熱心に指導しますので、臨床医としての実力がつくことでしょう。
0070.jpg(59029 byte)
 2階は医局です。医局では全員にデスク(高速LAN端末完備)とロッカーが与えられます。医局にはやさしい秘書さん2名が常駐しています。各自にメールボックスが与えられ、郵便や通知はここに入ります。コーヒーや麦茶は毎日入れたてで飲み放題です。コーンフレークやインスタントスープもあり、職員食堂が閉まってしまった時に助かります。冷凍食品やカップラーメン類もありますが、こちらは有料(50-100円)です。
 全科が1つの医局と言うのが当院の方針です。たとえば右隣の席が整形外科医であったり、左隣が皮膚科医であったりという具合です。さまざまな診療科の先生と話す機会が持てます。
0080.jpg(76757 byte)
 医師数が大幅に増えたため、新棟側に医局スペースを広げました。研修医のみなさんはこちらの座席になる可能性が高いかもしれません。
0090.jpg(74329 byte)
0100.jpg(66199 byte)
 医師の机の上は書籍と書類が山積みです。高速LANケーブルが各デスクに配線してあり、自身のパソコンで仕事をすることが出来ます。
 新築された医局エリアには仮眠室があります。当直明けで疲れたときなどは、1時間ぐらいここで昼寝をすることが出来ます。
 図書室も充実しています。大学病院ほどの書籍数はありませんが、和雑誌・洋雑誌ともに有名な本は概ね揃っており、症例報告程度の内容であれば十分な情報を即座に得ることが出来ます。医局・図書館・各自のパソコンから、EBMを実践するために必須である、Medline、医学中央雑誌、UP to Date、ACP Journal Clubなどにアクセス可能です。
0110.jpg(58637 byte)
 こちらは職員食堂です。500円前後で定食メニュー、麺類、カレー、ヘルシーメニュー、小鉢など結構美味しいです。
 こちらは当直室です。シャワー室もあります。2006年に新築した棟にありますので清潔で広く寝心地も良いのですが、救急当番の研修医の場合、実際にこの当直室を使う事は少ないかも知れません。救急外来のスタッフルームには医師、看護師さん達の仮眠室があり、そこを使う事が多いようです。
0120.jpg(46163 byte)
 以上、済生会宇都宮病院の建物・設備について紹介しました。写真では伝わりにくいと思いますが、スタッフも皆テキパキと仕事が出来る人材が揃っており、チームワークもとても良く働きやすい環境です。
第2章 カリキュラムと研修内容について
 総合内科・診療科長の荒井邦彦がカリキュラムについて説明します。
 カリキュラムはネットでダウンロードできますのでご参照ください。総合内科、救急診療科では、総合内科医コース家庭医コース救急診療科コースのカリキュラムを用意しています。
 募集人員は初期臨床研修医が病院全体で9名、内科系後期研修医が7−8名です。臨床初期研修医応募の実績としては、マッチング応募者数約30-50名です。成績優秀で第一希望でないとなかなか受かりません。選考は書類および面接で行われます。
 ローテーション・プログラムは、アンケートを元に出来るだけ希望に添えるように、また研修全体のバランスが出来るように調整し決定されます。例えば、内科認定医・専門医を最短コースで取得したい、などリクエストがあれば尊重・支援します。
 初期研修医・レジデントの出身大学は、北海道大学、弘前大学、福島県立医科大学、自治医科大学、獨協医科大学、慶應義塾大学、東京医科大学、杏林大学、北里大学、千葉大学、浜松医科大学、九州大学など日本全国・多岐に渡っております。栃木県(地元)出身者の割合は50%程度です。
 病棟の受け持ち患者は10−15人が平均です。上級指導医と2−3人チームで診療を行います。当院の患者さんの特徴は、Common Diseaseを多く診療できることです。ある大学病院で神経内科を2ヶ月ローテーションしたが、脳梗塞は1人しか担当せず、難病・奇病ばかり診たといったことは現実に起こりうることです。将来専門医となり稀な疾患を診る目標は大切ですが、研修医の皆さんは先ずCommon Diseaseや頻度の高い症候について確実に基礎を固めましょう。
 救急外来は“ER型救急”システムをとっており、救急診療科をローテーション中はベッド持ちがありません。夜勤回数はやや多くなりますが、その分休みを取り易くなっています。当院は栃木県救急救命センターを併設しており、県都宇都宮市のみならず栃木県内広範囲から救急車・救急ヘリコプターで患者さんは来院します。2006年度実績としては、救急外来受診者総数:23,294名、救急車で搬送された患者数:5,320人、救急入院数:4,430、心肺停止(CPA)症例:341人です。救急蘇生法普及部会があり、BLS、ACLS、JPTEC,JATECなど基人本的な救急診療技術の講習会への参加機会もあります。
 研修指導は熱意と愛情をもって行われます。学生ではなく、一人の社会人として医師として扱われます。つまり医師としての責任もって仕事を行うことが求められます。医師としての責任感・プロフェッショナリズムがない場合には容赦なく叱られます。指導医も日々勉強し、最新の臨床知識・技術を保つように努力しています。また、研修指導法についても厚生労働省が定めた指導者講習会に多くの指導医が参加して、より質問・相談のしやすい研修の雰囲気が出来るよう努めています。
 院内では、大学病院ほど回数はありませんが、質の高いカンファランスが行われています。
 特に、内科カンファランスでは、医長による研修医向けのわかり易くより実践的な講義が好評です。講演内容としては、輸血療法について(血液内科)、脳血管障害診療の実際(神経内科)、心電図の見方・不整脈の臨床(循環器内科)、HIV感染症(総合内科)、予防接種の実際(総合内科)、慢性腎不全について(腎・内分泌科)、糖尿病の診療(腎・内分泌科)、BLS・ACLS update(救急診療科)、抗核抗体について(リウマチ科)など充実したな内容です。
 CPC(病理解剖カンファランス)も毎月行われ、通算450回以上を数える伝統あるカンファランスです。
 その他、感染対策委員会講演会、中央安全委員会による医療安全研修、NSTによる栄養管理研修会、クリニカルパス大会、救急蘇生法普及部会によるBLS・ACLS講習会、DMAT(災害医療派遣チーム)講習会、褥瘡委員会講習会、QCサークル発表会、診療録・病歴システム・DPC講習会、その他多数の委員会主催の講演会が行われております。
 プレゼンテーション(口演・ポスター)の技法について学ぶことは非常に大切なことです。
 研修医はローテーション科により、救急症例検討会、死亡症例検討会、消化器センターカンファランスなどに出席する必要があります。これらに数多く出席し発表を繰り返すことにより臨床能力・プレゼンテーションスキルが共に向上します。
 国内外の学会参加も盛んに行われています。内科学会(関東地方会)、日本プライマリ・ケア学会(総会)、日本救急医学会(総会・関東地方会)、日本総合診療医学会(総会)、日本感染症学会(総会)、日本呼吸器内視鏡学会(総会)、日本エイズ学会(総会)、米国内科学会(American College of Physicians・Annual Meeting)等に参加、発表の実績があります。
0130.jpg(60417 byte)
 研修医同士の雰囲気もよく、仲も良いようです。ストレス・マネジメントは大切です。時には、読書をしたり、ゴルフをしたり、ドライブしたり、エステにいったりなど忙しい中にも余暇を見出している人が多いようです。
 ■ミシガン大学家庭医療学助教授:神保真人先生による臨床研修医指導
 卒後1−2年目の臨床研修医および卒後3-5年目のレジデント(家庭医、Generalist志望者)を対象に、ミシガン大学家庭医療学助教授 University of Michigan, Department of Family Medicine, Assistant Professorである神保真人先生Masahito Jimbo, MD, PhD, MPH が来日指導をいただいています。
神保真人先生による臨床研修医指導(クリックで拡大)
 例年6月と11月に各3日間程度の指導をいただいており、臨床研修医は全員参加必須となります。
研修内容の例を以下にお示しします。米国の医療事情などの講義と、より実践的な体を動かしながらの診察実習が行われており。研修医の満足度も高いものになっています。
1)日米医療事情の比較:Advanced Directive, Living will, Durable power of attorneyについて
 末期肺癌で在宅死を望んでいながら、当院救命センターに救急搬送された1例をもとに、ディスカッションを行いました。
神保先生による講義写真1
神保先生による講義写真2
2)臨床ですぐに使える腹部超音波実習
 2時間×2回にわたり腹部エコー検査の基礎を実践演習した。FAST、肝臓(Segmentの理解)、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓の描出が出来るようになりました。
神保先生による腹部超音波実習写真1
神保先生による腹部超音波実習写真2
3)ケースカンファランス 印象に残った症例をもとに
 虫垂炎診断の難しさ、心筋梗塞に腎梗塞を併発した一例、迅速に大動脈解離を診断しえた一例、ヘモクロマトーシスに肝腫瘍・溶血性貧血を併発した一例
 疾病頻度は低いが見落としてはならない疾患について議論しました。
4)家庭医・総合医向けのセッション(家庭医コース後期研修医のリクエストによる)
 予防医学、禁煙指導のコツについてアドバイスを受けました。
 臨床研修医からの学びたいテーマのリクエストを参考に神保先生と事前に内容を打ち合わせして行っており満足度の高い研修内容になっています。夜には食事会をしながら、若手医師のざっくばらんな質問・相談にも乗っていただいております。
 ■研修終了後の進路
 研修修了者は総合臨床医(総合内科医、プライマリケア医、家庭医)、専門臨床医(内科専門医、救急専門医など)、地域医療、研究者、国際医療、行政など多彩な進路に進み活躍している実績もあります。
 当院でスタッフ・シニアスタッフとして採用される可能性もあります。
 ■研修修了式
 毎年3月末に行われます。指導医の大勢集まる最も楽しいパーティーのひとつです。この席上で最優秀研修医が表彰されます。
 研修医・レジデントの皆さんは、当院において若い時期に充実した研修を受けることが何よりの財産になるでしょう。気概に満ちた若手医師の皆さん、ご応募をお待ちしております。