教育に力を入れている研修プログラム

総合診療専門医プログラム

研修期間
3年

研修目標

≪研修の理念≫
当院の理念、基本方針のもと、医師としての人格を涵養し、現在の地域が抱える様々な問題を網羅的に把握し、医学・医療の社会的ニーズと医療チームの一員であることを認識しつつ、日常診療で頻繁に遭遇する疾患や病態に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)、健康にかかわる問題について適切な初期対応等を修得し、新たな基本診療領域の専門医として、総合的な診療能力を有する医師の育成を目的とする。

≪基本方針≫
①地域を診るという観点で、地域医療を担えるように、幅広い知識の習得と、地域の医療資源(医療サービス、介護サービスなど)を有効に活用することができるリーダーを目標とする。
②上記の知識は広さだけではなく、継続性も必要であり、その活用をもって医療の現場にフィードバックが可能となる。
③患者の問題を医学的のみならず心理的・社会的側面からも捉え、患者・家族との良好な人間関係を確立したうえで、医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うため努力をする態度を身につける。
④他の医師および医療メンバーと協調して診療を行う習慣を身につける。
⑤医療安全への配慮を常に怠らない。

研修内容

3年間の研修は、以下に沿った形で行われる。病院総合診療部門としての研修は当院で行う。いわゆる、総合診療研修Ⅱにあたり、必須領域別研修として内科・救急科・小児科をそれぞれ12カ月及び3カ月ずつを行う。栃木県済生会宇都宮病院総合診療専門研修プログラムにおいては、総合診療研修Ⅰでの研修期間を6カ月としており、診療所をベースに往診で在宅の看取りを行っているひばりクリニックにて行う。この6カ月は、2年目と3年目にそれぞれ3カ月ずつ回ることで、1年の経過により、診療への習熟を実感することが出来る。残りの12カ月については、原則個人の希望を尊重し、話し合うことになるが、当院のプログラムは、総合診療の中でも特に重症患者管理に力を入れている。救命救急センターを内包し、重症救急患者さんが多い実情からは、研修目標の達成に必要な範囲で当院内の各専門診療科などで研修を行うことが可能である。例えば、救急外来当直で初療を受け持った患者さんをそのまま入院後も引き続き入院主治医あるいは担当医として治療に参加することも可能である。今回基幹の中心となる総合内科は、感染症、特に重症感染症に関わる集中治療の領域を得意としており、習得できるものは幅広い。また連携を組ませて頂いた診療所の先生方は、24時間体制の看取りも行う積極的な先生方であり、往診にも力を入れている。場合によっては、重症の方の在宅看取りへのプロセスまで参加することが可能である。
 重複になるが、本プログラムは、総合病院を基本とした専門研修であり、広い目を持った総合診療医の育成を主眼に置いている。当科は、感染症診療、クリティカルケアを得意としており、気管切開を含めた全身管理を重点に据えている。内科研修の中でも総合内科は、重症感染症、中毒なども含めて幅広く重症の患者さんも診ている。特に集中治療を必要とする症例については、ICUにおいて集中治療科の医師とも積極的に議論し、診療に当たっている。ICUに入るような症例も少なくないため、当科に軸足を置きながら、集中治療科を含む多診療科と共に重症患者の管理を行えることは利点であり、当科部分を延長して研鑽を積むことに関しては特に支障となることはない。
 その上で、”その他”の期間には当院の診療科の中で、短期でも研鑽を積めるように、各診療科との相談の上、対応が可能である。当院の病床数は多く、それぞれの専門診療科においても濃密な研修が可能であり、その為、研修は複数の診療科を並列するのではなく、その期間を該当診療科に没頭してもらえるように、ブロック式にしている。放射線科や超音波診断科など、自分のスキルとして習得したものに自信を持つためにプログラム責任者としては推薦したい。しかし、それ以外にも多くの診療科において垣根なく話し合いを行っているため、いずれの選択にしても小回りを利かせて対応したい。
 また、くどいようであるが本プログラムは病院での総合診療医の育成を目標としており、総合診療Iの期間、当院から離れることで、3次救急の勘がそがれるとか、離れることが心配という場合には、週1回程度の救急外来の夜勤を行う事が出来る。その場合には、総合診療Iでの勤務を1日減らすことで、過重労働にならないように配慮する。なお、この配慮は1年目も3年目も同様である。

各ローテーション先で学べる内容や特色

当院の救急部は、北米型ERを実践しており、重症敗血症によるショックや、急性薬物中毒なども総合内科がメインで診療にあたっている。その為、重症患者さんに場合には、チームとしての医療も実現している。また、外来診療においても、初診外来に従事することで、適切な診断に至るプロセスを身につけることが出来る。その上で各診療科と密接に連携を取りつつ、患者さんにとってのベストな方策を講じることが出来る。
 各ローテーション先では、それぞれの診療科の特長通りの診療に参加することが可能であり、また、総合診療専門研修I施設として村井クリニックなど、地域で往診、訪問診療、在宅看取りまで行っている診療グループのご協力も得られている。村井クリニックは通所のリハビリテーションも行っており、地域の医療資源としてニーズが高い。さらには、ひばりクリニックは、重症心身障害児の預かりを行っている”うりずん”も併設しており、経験できるものは計り知れない。栃木県済生会訪問看護ステーションほっとは、上記の訪問診療グループとも密接な関係が築かれており、総合診療研修I施設にいながらも本院との関係の継続も問題ないと考えられる。
 また、地域の健康増進活動については、当院に併設した健康診断及びドック後の健康指導を基本としている。本プログラムでは、内科外来における診療も大切なひとつであり、検診異常で精査を必要とし、当院を受診された方の二次検診での指導及び薬剤、非薬剤療法などの介入方法を学ぶことが出来る。その上で、地域の医師会主催の検診などにも積極的に参加をする予定である。
 いずれの研修の際も、プログラム責任者あるいは、指導医とのコミュニケーションは継続され、最高のポートフォリオという形で研修が修了することを目標とする。