心臓血管外科
   平成23年6月9日
主要スタッフ
≪担当・氏名≫ ≪役職≫ ≪専門医療・専門医認定等≫
 高橋 隆一 診療科長   心臓血管外科専門医(指導責任者)
  慶応義塾大学医学部客員講師
  日本心臓血管外科学会評議員
  日本胸部外科学会指導医
  日本外科学会専門医
  臨床研修医指導医
 橋詰 賢一 医長   心臓血管外科専門医
  日本胸部外科学会認定医
  日本外科学会専門医
  臨床研修医指導医
 古泉 潔 医長   心臓血管外科専門医
  日本胸部外科学会認定医
  日本外科学会専門医
 井上 慎也 シニアスタッフ   日本外科学会専門医
全般的な活動 
 1968年に栃木県初の心臓血管外科手術を行って以来、40年以上に亘り約10000人以上の患者様の手術治療を行ってきました。
  循環器内科および小児科との緊密な連携の下、先天性心疾患から後天性心疾患(冠動脈疾患や心臓弁膜症など)、大動脈疾患(急性大動脈解離や胸腹部大動脈瘤など)、末梢血管疾患(閉鎖性動脈硬化症など)等、幅広い疾患に対応しております。また、不整脈に対するペースメーカー植え込み手術や慢性腎不全に対する内シャント作成術も行っており、年間約500例以上の手術を行っております。
 主な疾患の年間手術数の内訳は、先天性心疾患約20例、後天性心疾患約130例、大動脈疾患80例(内、胸部大動脈疾患は約40例)で、治療成績は在院死亡率で緊急手術を含めて約0.4%です。当科では診療科長を初め、心臓血管外科専門医を中心としたチーム医療を行っており、スタッフ全員が患者様の状況を逐次把握し診療にあたっています。また、成人患者様では早期の社会復帰ができるように術後2週間程度での自宅退院を目指しております。当院は栃木県救命救急センターを併設しており24時間体制で緊急対応しております。
専門的取組 

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
  虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術は最も多く行われている手術の一つです。 その手法には心拍動下に行う場合や心停止下に行う場合、また体外循環の使用の有無、バイパスに使用する自己血管の種類など様々の方法がありますが、患者さんの状態に合わせた最適な方法を選択することが重要です。 当院ではひとつの手法にとらわれず最適な方法を選択することで、重症合併症の発生を含む手術の危険率は待機手術で1%以下、急性心筋梗塞などの緊急手術でも5%以下と良好な結果が得られています。
心拍動下冠動脈バイパス術例

心臓弁膜症
  心臓弁膜症に対しては弁形成術と弁置換術の2つの手術方法があり、また弁置換術に用いられる人工弁にも生体弁と機械弁の2種類があります。 それぞれに長所と短所があるため、それを考慮した上で患者さんの状態に合わせた手術方法を選択するようにしています。 また併発することが多い不整脈の一つに心房細動があります。 これに対して、高周波を用いた肺静脈隔離術を心臓弁膜症に限らず他の疾患でも積極的に行うことで不整脈を治し、血栓形成の防止と心機能の維持を図っています。 近年は、心機能がある程度保たれている時点で手術を行うことが遠隔期での心機能がより良く保たれるとの観点から、症状が比較的少ない早期の段階で外科的介入を行う傾向にあります。 僧帽弁形成術例
僧帽弁形成術例

大動脈瘤
急性大動脈解離に対する緊急手術例
急性大動脈解離に対する緊急手術例
  大動脈瘤の治療は、上行大動脈から腹部大動脈までの全範囲の大動脈を対象とし、通常の手術とステントグラフト内挿術の両方を行っています。 基本的には適応があればステントグラフト内挿術を治療の第一選択としていますが、適応外の場合や施行困難な場合には通常の手術を行います。 また破裂や急性大動脈解離などの緊急手術にも対応しており、特にA型急性大動脈解離の緊急手術では救命 ステントグラフト内挿術
ステントグラフト内挿術
率約95%と良好な結果が得られています。末梢血管疾患はカテーテル治療やバイパス手術を行っています。

血管疾患と心臓疾患に対するハイブリッド治療
  大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症などの血管疾患と狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患が合併している方の中にはいずれも治療が必要となる場合が少なくありません。 その様な患者さんに対して、当院では冠動脈バイパス術などの心臓手術とステントグラフト内挿術などの血管治療を同時に施行するハイブリッド治療を積極的に行っています。 すべての治療を2週間程度の入院1回で行うことで、患者さんの負担をできるだけ軽減するようにしています。

先天性心疾患
  当院では通常の集中治療室(ICU)の他に小児専門の集中治療室(NICU)もあり、手術前や手術直後より小児科と連携して診療にあたっています。 対象疾患は、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などの単純心奇形からファロー四徴症や心内膜床欠損症などの複雑心奇形まで広く治療を行っています。 対象年齢も新生児や乳幼児から、小学生や成人まで診断、カテーテル治療および手術が可能です。

低侵襲心臓外科手術;MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery)
  従来、多くの心臓手術は胸骨正中切開で行われてきました。 現在も多くの手術がこの方法を採用していますが、当院では疾患によって小切開で手術を行う、低侵襲心臓外科手術(MICS; Minimally Invasive Cardiac Surgery)を導入しています。 特に、僧帽弁疾患や心房中隔欠損症などはこの方法の良い適応となります。この手術は胸骨正中切開をせずに肋間から心臓にアプローチして手術を行う方法です。 従来型に比べ、美容上の利点があるだけでなく、手術後の
従来の心臓手術
従来の心臓手術
   MICSによる心房中隔欠損症手術
MICSによる心房中隔欠損症手術
疼痛も少なく離床も早くなります。 但し、体の小さなお子さんでは難しく、通常の胸骨正中切開で手術を行います。 しかし、可能な限り傷を小さくすることで、前が開いた服などを着た時でも傷が見えないように工夫しています。

当院での手術をご希望の方、またはMICSについてのご質問などは外来(毎週、水曜日の午後もしくは金曜日の午後)にて御相談ください。

退院後の通院
  退院後は原則的に定期的に当院へ通院していただきます。ただ、できるだけ長く体調を維持するためには日常の健康管理が不可欠です。また、心臓以外の臓器(消化器や脳神経など)の疾患を見逃さないためにも、地域の先生方、いわゆるかかりつけ医への受診をお勧めしています。当院とかかりつけ医の先生の両者で診療することで、全人的に患者さんを診ることができます。当院からの紹介状などの情報提供や地域の先生方からの診療依頼などには積極的に対応しています。
連絡先
 お問い合わせはメール(cardiovascular_surgery@saimiya.com)でも承ります。
主な医療設備等 
心臓カテーテル検査用シネアンギオ装置−2台
心臓超音波装置−5台
経食道超音波検査装置(手術室専用)−1台
人工心肺装置−4台
大動脈バルーンパンピング装置−5台
など
指定施設
・心臓血管外科専門医認定機構基幹認定修練施設
・日本胸部外科学会認定医修練指定施設
・日本循環器学会循環器専門医研修施設