TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)

TAVI
提供:エドワーズライフサイエンス(株)

 

TAVI 経カテーテル大動脈弁置換術について

カテーテル治療といえば、冠動脈疾患や末梢動脈疾患に対する血行再建術、肝細胞がんや出血に対する塞栓術など良く知られていますが、近年ではさらに多くの疾患、場面でカテーテル治療が活用されるようになっています。循環器領域では、弁膜症に対するカテーテル治療が開発され、とくに大動脈弁狭窄症に対するTAVIは、この疾患の管理・治療に大きな変革をもたらしています。 大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が動脈硬化のため硬化して開かなくなり、呼吸困難、胸痛、失神、突然死を来す疾患ですが、先進国では平均寿命の延伸により患者数が急増しています。


TAVI図
提供:エドワーズライフサイエンス(株)

 

これまで有効な治療法は開胸手術(外科的大動脈弁置換術、 Surgical Aortic Valve Replacement: SAVR)しか存在しませんでしたが、なかには開胸術に耐えられない患者さんがおられました。TAVIはその低侵襲性により、これまで開胸術のリスクが高いために治療を受けられずに困っておられた患者さん・ご家族にとって大きな福音となっています。TAVIを施行するための施設の要件としてハイブリッド手術室を有することが定められており、今回の完成をもって、当院も施設認定申請を行い、2019年4月頃を目標にTAVI治療を開始したいと考え準備を進めています。

 

TAVIの治療 ~チーム医療による安心・安全な医療の提供~

本邦でのTAVIの保険適応は、SAVRのリスクが高い患者さんとなりますが、一般的には80歳以上であれば、TAVIを検討することが多く、海外では中等度以上の手術リスクの方や75歳以上の方にも適応が広がり、本邦の基準もこれに追従していくものと予測されます。もちろん年齢だけではなく、併存疾患や最近流行りのフレイル(虚弱度)を考慮することも重要になります。また、TAVIとSAVRのいずれが適切かの判断は時に悩ましいことがあります。最も重要なことは、患者さんのメリットを第一に考え、院内のハートチーム(内科・外科・麻酔科・看護師などの多職種からなる心疾患に関わるチーム)で議論を重ねることです。当院では、以前から心臓外科の予定手術(開胸術やステントグラフト挿入術)に対する術前カンファレンスを行い、心臓外科医、循環器内科医、麻酔科医がディスカッションしています。また、ハートチームの構成メンバーとなる看護師・放射線技師・臨床工学技士などに対して、定期的な勉強会を開催し、質の高いチームを結成できるよう準備を整えています。 おわりに この度は、ハイブリッド手術室の完成をお知らせするとともに、今後の新しいカテーテル治療、大動脈弁狭窄症に対するTAVIのご紹介をさせて頂きました。施設認定を取得しTAVI治療の開始時期が確定した折には、正式にご連絡を差し上げたいと考えております。TAVIを始めとした心臓弁膜症に対する診療を充実させることにより、今まで以上に地域の先生方のご診療、患者さん皆様の健康に貢献して参りたいと決意を新たにしております。お困りの患者さんがおられましたら、躊躇なくご紹介頂けますと幸いです。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。