大動脈センター

センター長からご挨拶

『大動脈センター』の開設

平素、済生会宇都宮病院に対して、皆さまのご理解とご協力を頂き誠にありがとうございます。
さて、この度当院では『大動脈センター』を開設することとなりました。
大動脈疾患は瘤破裂や急性解離など、生命に危機が及ぶことの多い重篤な疾患です。当院では心臓血管外科が40年以上にわたり治療に携わって参りました。数年前より、心臓血管外科と放射線科と共同で大動脈瘤に対するステントグラフト治療を導入し、より患者さんへの負担の少ない治療が可能となりました。

現在、当院では全ての大動脈(上行大動脈~弓部大動脈~胸部大動脈~腹部大動脈)でステントグラフト治療が可能です。しかしステントグラフト治療が適さない患者さんや、急性大動脈解離や大動脈瘤破裂など緊急手術が必要な患者さんもいらっしゃいますので、心臓血管外科が積極的に適切な手術療法を行って、今日まで良好な結果を得ています。

一方で、動脈硬化や高血圧などを原因とする大動脈瘤には、心臓疾患を合併することが多く、両者とも治療が必要な場合があります。それぞれの疾患を別々に治療することは、治療に長期間を要し患者さんへの負担も大きくなります。
そこで当院ではステントグラフト治療の低侵襲性に着目し、心臓疾患と大動脈瘤の同時治療(ハイブリッド治療)を積極的に導入し、患者さんの満足度の高い治療を提供しています。
以上を踏まえて、
①全ての領域の大動脈瘤ステントグラフト治療
②ステントグラフト治療が適さない場合や急性大動脈解離などに対する手術療法
③大動脈疾患と併発する心臓疾患の同時治療
大動脈疾患を中心とした多岐に亘る病態に対応可能な『大動脈センター』を開設することといたしました。センター化により、今日までの豊富な経験と実績のもとに、今まで以上に様々な病態の患者さんに対し、より高度で、より負担の少ない医療を提供できるものと考えております。

                                      

大動脈センター長・心臓血管外科診療科長 橋詰 賢一