後期研修医募集のご案内

放射線科研修

放射線科研修プログラム(平成30年度開始の放射線科専門研修(日本専門医機構)に関してはこちらをご参照下さい)
研修期間

1~5年

当科の特徴

当科は今回、日本専門医機構による新専門医制度の開始を目的に作成したプログラムにおける基幹施設の一つに選ばれました。専攻医の募集が認められ、2018年4月より実際に1名を受け入れ、教育プログラムが実働しています。

栃木県済生会宇都宮病院は、1942年5月の恩賜財団済生会宇都宮仮診療所の開設に始まり、地域医療の中核を担う総合病院に発展してきました。1981年3月には栃木県救命救急センターが併設され、1996年5月には病床数644床の新病院がオープンし、名実ともに地域の中核病院としての役割を果たしています。2017年6月現在、病床数644床、標榜科28科、医師170名を含む、職員1,374名で運営しています。

当科は、放射線科常勤医師10名(うち専攻医2名)、非常勤医師7名(2017年6月現在)で画像診断、核医学、放射線治療の3 部門の診療を行っています。常勤医のうち放射線診断専門医6名、放射線治療専門医2名、IVR専門医4名、核医学専門医2名の有資格者が在籍しています。自治医科大学や獨協医科大学放射線科などと良好な関係を維持し、非常勤の診療協力をお願いしていますが、常勤医の出身大学はすべて異なっており、派閥はなく自由で闊達な雰囲気の医局を心がけています。

64 列マルチスライスCT 3台(CT透視1台、2018年4月時点で320列のCT導入が決定しています)、超伝導MRI 4台(3T1台)、多目的血管造影装置 2台、心血管造影装置 1台、PET/CT装置 1台など大学病院並みの最新の設備を備えています。

当科では常勤診断専門医がワンフロアーで勤務しており、コミュニケーションがきわめて良好であることも特徴の一つです。当科では放射線診断専門医が夜間、休日の緊急読影(自宅遠隔読影)に当番で対応しており患者様や臨床医の期待に応えています。専門医の24時間対応の画像診断を施行している施設は全国でも比較的少ないと思われます。

また、当科ではIVR(特に血管内治療)も積極的に行っており、国内でもトップクラスの症例に対応しています(IVR学会の症例登録では、血管内治療件数は大学病院等も含めても全国26位(2016年)です)。IVR専門医は4名で、他スタッフも併せて24時間365日の緊急対応を行っています。TACEや、VAIVT(透析内シャント治療)、外傷症例以外にも、広く血管内治療に対応しています。心臓血管外科と協力のうえ施行している大動脈ステントグラフトでは胸部大動脈で全国1位(2016年度)、腹部大動脈では全国3位(2016年度)の登録、施行件数となっています。関連するエンドリークの治療件数も多数経験できます。また下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管内治療にも積極的に対応し、外来診療にも取り組んでいます。産婦人科と協力の上、子宮筋腫に対する血管内治療(UAE)や産科出血などに対するカテーテル治療なども取り組んでいます。またCT透視を用いたドレナージや生検も行っています。

治療専門医も2名在籍しており治療に関しても充実した研修が可能です。当科のベッドは保有していません。

学会や講演会、セミナーに参加できるよう配慮しています。また、学会発表や論文投稿の支援もします。

また、当科は特にワークライフバランスに配慮し、病棟はなく、当番は週に1-2日程度で1人年間12日以上の有休の取得の実績があります。また、女性も働きやすい職場をめざしています。

豊富な症例、実績により、他施設からの研修希望も多く、研修指導の体制も整え、教育にも積極的に取り組んでいます。日本医学放射線学会放射線科専門医総合修練機関、日本IVR学会専門医修練認定施設、日本核医学会専門医教育病院、日本放射線腫瘍学会認定協力施設に認定されており、専門医の育成にも力を入れています。



【2012年~2018年の研修者、前所属先と血管系IVR件数の内訳】
① 30代男性 新潟大学病院     血管系IVR施行実績 293例/2年
② 30代女性 自治医科大学病院   血管系IVR施行実績 95例/2年
③ 30代男性 慶応義塾大学病院   血管系IVR施行実績 335例/2年
④ 20代男性 横浜みなと赤十字病院 血管系IVR施行実績 201例/1年
⑤ 30代男性 慶應義塾大学病院     血管系IVR施行実績 495例/3年
※以下は研修中
⑥ 20代男性 杏林大学病院         血管系IVR施行実績 380例/2年
⑦ 30代男性 群馬大学           専攻医としての研修開始。



④研修修了者感想
1年間お世話になりました。1年で240件を越える血管内治療を経験できました。件数もさることながら、マンツーマンで指導して頂きながら、最初は手取り足取りで、その後に、術者としてかなりの数をやらせてもらったので非常によかったと思います。また、複数の医師に教えてもらうことで(IVR指導者6人)、様々な作法や考え方をきくことができたのもためになりました。読影に関しても基本的に自分のペースで、自分のやりたいように勉強させて頂けたのが非常によかったです。また、非常にQOLも高く、研修が修了できたと思います。

⑥研修中医師感想
読影室の雰囲気がとても良く、大学の派閥などもないため指導医の先生方は非常に教育熱心に指導してくださいます。読影はもちろん、やる気があれば何件でもIVRに参加でき、たくさんの経験値を獲得してみるみるスキルアップすることができます。レジデントは優先的に学会や勉強会に参加を許可していただけたり、仕事のオンとオフがはっきりしていることもあり、若手としてこれ以上ない魅力的な環境で研修ができると思います。



研修目標
<診断部門 >

3~5年の研修の中で、放射線科専門医ないしそれに準ずる知識と技術の習得を目指す。研修期間前半は general radiologyの習得を主体とし、後半はgeneral radiology に加え専門性を持たせた研修を行う。
放射線科は病院すべての科の患者を扱っており、また放射線科の業務は医師、看護師、放射線技師、事務職員など医療チーム構成員の共同作業として絶えず行われている。したがって、以下の行動目標を掲げる。

  • 医療チーム構成員の役割を理解した専門医療の実践
  • 患者との短時間での人間関係確立
  • 適切な問題抽出と把握を行い、問題対応型思考の確立
  • 患者並びに医療従事者の安全の確保
  • 専門技術による医療への貢献
<治療部門>
  • 主要ながんの標準治療における放射線治療の役割を理解する。
  • 主要ながんの適切な放射線治療計画を独力で立案する。
  • 緩和治療における放射線治療の役割を理解し、治療計画を立案する。
  • 放射線科医として必要な放射線物理学、生物学の知識を習得する。
  • がん診療におけるコミュニケーションスキルを習得する。


研修内容
<診断部門>

放射線科専門医ないしそれに準ずる知識と技術の習得を目指す。

X線検査の適応の理解と手技の習得
  • 単純撮影: 撮像法の原理(コントラスト、鮮鋭度、断層撮影、間接撮影、CR、画像処理=階調・周波数処理)、検査適応と撮影法(眼窩、聴器の撮影法、高圧撮影、軟線撮影)
  • 血管造影: 種類と適応(CTAP、CTA )、手技
  • 上部消化管造影: 種類と適応、手技
  • 小腸造影: 種類と適応、手技
  • 注腸: 種類と適応、手技
  • 尿路造影: 種類と適応(経静脈性尿路造影、逆行性腎盂尿管造影、膀胱造影、排泄性膀胱尿道造影)
X線CTの理解と診断業務
  • 原理と検査技術: ヘリカルCT 、高分解能CT 、マルチスライスCT
  • 単純CT と造影CT、ダイナミックCT、適応、CT 値、造影法、造影増強効果、造影剤動態(動脈優位相、平衡相)
MRIの理解と診断業務
  • 原理と検査技術: スピンエコー法、グラディエントエコー法、エコープラナー法、脂肪抑制法、T1時間、T2時間、chemical shift
  • 単純MRI 、造影MRI 、ダイナミックMRI 、MRA 、MRI hydrography、適応と原理、信号強度、T1、T2、Proton密度強調画像、高低信号域、造影効果、造影法と造影剤動態、time of flight法、phase contrast法、造影MRA、MRCP
IVRの理解と手技の習得
◆血管系治療
  • 第1助手・セルディンガー法経験100例以上を目指す
  • 研修後半には肝動脈塞栓術を中心に第1施行医として100例以上を目指す
  • 適応、手技、塞栓術、塞栓物質、血管拡張術、ステント留置、動注療法、下大静脈フィルター、血栓溶解術
◆非血管系治療
  • 助手、または研修後半には第1施行医を目指す。CTガイド下生検、CTガイド下ドレナージなど
  • 核医学検査の手技と診断業務
  • 専門領域の診断業務と検査・治療の施行

<治療部門>
  • 指導医が一対一で指導にあたる。
  • 各種ガイドラインに基づいた放射線治療計画を指導医とともに行う。
  • 専門医資格取得を目指し、多様な疾患の放射線治療を行う。その中で腫瘍および正常組織の放射線治療に対する反応を観察する。
  • 外来診療を指導医とともに行うことで、放射線有害事象に対処する方法や患者説明に必要なコミュニケーションスキルを習得する。
  • 外来診療とは別に、放射線生物学、物理学についての講義、輪読等を行う。


学会活動
  • 放射線関連学会は多数ありますが、主な学会の幾つかに年に2回以上の参加を義務とする
  • 放射線関連学会に年1回の発表を行い、また筆頭論文を4年間で1編を投稿することを目標とする


週間スケジュール(例)
  7時半 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時
  診断業務 検査業務
conf. 血管造影/IVR conf.
  検査業務 診断業務
  血管造影/IVR
  診断業務 検査業務
  診断業務/検査業務  

※見学希望など詳細については下記担当にお問い合わせください

担当

 済生会宇都宮病院 放射線科:薄井広樹
 〒321-0974
 栃木県宇都宮市竹林町911-1
 TEL:028-626-5500(内線3179)
 FAX:028-626-5594
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