後期研修医募集のご案内

臨床研修プログラム

心臓血管外科研修プログラム(後期専門科研修)
研修期間

基本的に1~3年
(最長6年 基本的に専門医取得が研修の目標になるため、延長は適宜可。その後は所定の審査を経て当院スタッフとして就職することも可。慶應義塾大学心臓血管外科学教室関連病院への出張も可能)

当科の特徴

当院心臓血管外科の特徴は、対象疾患が先天性心疾患、後天性心疾患、血管疾患と各分野を 網羅しており、それぞれバランスよく習得できることである。手術数は心大血管手術約150-200 例/年を含む年間約450‐500例/年あり、(詳しくは当科ホームページ診療実績を参照)短期間 に多くの症例経験が得られるのも特徴である。 また、放射線科との協力の下、大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術を始めとする血管内 治療の研修も可能で、幅広い知識と技術を身につけることができる。研修終了後は、関連大学 (慶應義塾大学、防衛医科大学校、埼玉医科大学国際医療センター小児心臓外科等)および他施設での研修の他、当院スタッフとして研修を継続、また希望者には関連大学の指導の下で学位(医学博士)の取得も可能である。

研修目標

高い倫理観を持ち、質の高い安全な医療の推進に取り組む心臓血管外科専門医を育てると同時に、心臓血管外科専門医取得に必要な単位数をみたし、将来自立した心臓血管外科医の基礎を作ることを目標としている。

研修内容

(外科専門医未取得の医師は当院外科にて研修も可能ですので、まずはご相談ください。)
外科専門医取得後の3年間の研修において(卒後4年目以降)以下の基本的知識、技術の習得をする。心臓血管外科専門医取得に必要な症例を経験することを目標とする。

1.基本的知識
心臓血管外科手術に必須の解剖の理解、各疾患の病態と検査所見の理解、心臓疾患・血管疾患に関する症状と理学的所見、画像検査(X線、CT、MRI、経食道を含めた心臓超音波検査)、生理学的検査(負荷を含む心電図検査、呼吸機能検査、動脈血液ガス分析)、心臓血管造影法、心臓血管カテーテル検査法、心筋シンチ、RI検査など理解し習得する。循環器系の薬剤の知識を身につけて正しく処方する。

2.心臓血管外科の治療及び管理
指導医のもとでICU管理を含む心臓血管外科疾患の管理治療を修得し、症例検討会でcase presentationを行う。
呼吸管理(気道確保、人工呼吸器の着脱の時期を判断、実施)、循環管理(血行動態の各データの判読と状態に応じた管理、緊急時は不整脈の判読と心肺蘇生、薬物、ペースメーカー、除細動などの適切な治療の選択と実施)、腎不全の管理(腹膜透析、血液浄化法の理解と患者管理)、合併症の管理(心臓血管科関連合併症の診断と治療方針の決定と実施)。

3.体外循環、その他の循環補助装置
人工心肺装置の原理を理解し臨床工学士と共に回路の組立及び操作法を修得する。併せて心筋保護法も修得する。IABP・PCPSの原理、適応を理解し、装着・管理する。

4.人工臓器の理解と管理
人工弁、人工血管、ペースメーカーを熟知して患者管理をする。

A.外来業務
  • 原則として通常の初診、再診外来は担当しない。
  • 時間外、土日、祝日の拘束、副拘束の任にあたり、指導医のもと、救急外来での対応を研修する。

B.病棟業務

卒後5年目~6年目の研修期間は原則として指導医(主治医)のもとで副主治医として研修する。但し、心・大血管以外の疾患では6ヶ月間は副主治医、その後は主治医となる。卒後7年目はチーフレジデントとして主治医となる。

C.手術
卒後4年目以降
  • 基本的手技の修得;開胸、閉胸術、血管吻合術(大腿動脈などの中口径動脈)、大伏在静脈採 取、カニュレーション(大腿動静脈)、胸腔ドレナージ術、心嚢ドレナージ術、体外循環症例のカニュレーション
  • 助手:難易度に関係なく第1または2助手
  • 術者(難易度A, Bの一部、修練医の技量に応じて)動脈血栓除去術、内シャント術、末梢血管手術(大腿動脈以下のバイパスなど)、永久ペースメーカー植込み術、動脈管開存症、腹部大動脈瘤(腎動脈分岐末梢で非破裂例)、心房中隔欠損症、ファロー四徴症(肺動脈形成が必要ない軽症例)、単弁置換術(大動脈弁閉鎖不全、軽症の僧帽弁狭窄症、閉鎖不全症)、CABG(体外循環症例で1~2枝バイパス)

D.当直関係

基本的に手術日当日の当科での当直はなし。院内規定により、外科系当直に従事する。(月2-3回程度)

E.給与

卒後5~6年目の参考値
年収:約1000~1100万円
月収:約50~60万円

F.学術活動ほか

心臓血管外科専門医取得に必要な学会参加・論文執筆を目標とする。
主要学会学術集会への参加・発表(交通費支給)

  • 主要学会総会へ年1回参加を義務
  • 学会総会で演者として、卒後6年目以降は年1回を目標とする
  • 地方会(研究会)で演者として、年2回を目標とする
  • 筆頭論文を年1編執筆することを目標とする
  • 適宜抄読会、院内Wet Laboを行い、心臓血管外科の知識と技術を深める

週間スケジュール(例)
  7時45分 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時
回診 手術 病棟業務
回診 手術 病棟業務
回診 抄読会 手術/病棟業務 外来業務 小児科合同
心カテカン
conf./抄読会
回診 手術 病棟業務
回診 術前
conf.
  外来業務 循環器内科合同
心カテconf.
  病棟業務  
※毎月1回、水曜日9:00~10:00はM&M(Mortality and morbidity)カンファレンス