形成外科

頭頸部再建

頭頸部の悪性腫瘍は比較的まれな疾患ですが、治療のための手術を行った場合、見た目・機能の両面で生活の質を大きく下げるような欠損を生じます。当院では、耳鼻咽喉科で行った切除手術後の欠損に対し、形成外科でマイクロサージャリーによる再建手術を行っています。 ほとんどは舌癌、下咽頭癌、下顎歯肉癌や上顎洞癌などの切除手術と同時に行う即時再建ですが、腫瘍切除後の変形に対する二次再建にも対応しています。

下顎骨切除後変形に対する二次再建

写真 頭頚部再建1 写真 頭頚部再建2

放射線治療後の下顎骨髄炎に対し、口腔外科で下顎区域切除が行われた方です。右側の骨がないため、残った左側の下顎骨が偏位し、顔貌の変形、噛み合わせの大きなずれが生じています。

写真 頭頚部再建3 写真 頭頚部再建4 写真 頭頚部再建5
※筆者が他院で執刀した患者さまおよびご家族から承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。

遊離腓骨皮弁による再建術を行い、半年後の状態です。顔貌、噛み合わせは大きく改善し、義歯も入れられるようになりました。

 イメージ図 頭頚部再建6 イメージ図 頭頚部再建7

眼窩内容除去術後の変形に対する二次再建

写真 頭頚部再建8
眼球結膜に浸潤する眼瞼悪性腫瘍のため、眼窩内容除去術が行われた方です。足の付け根からの皮膚移植できずはふさがっていますが、患部は大きく陥没しています。
写真 頭頚部再建9
※筆者が他院でエピテーゼを作製した患者さまおよびご家族から承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。

この方ではシリコーン製のエピテーゼを作製しました。眼鏡を併用することでかなり自然な外観になります。
(外来担当:笠井昭吾)