形成外科
口唇裂・唇裂術後変形
口唇裂とは、生まれつき上唇に割れ目のある状態のことをいいます。歯ぐきに割れ目のある顎裂や、上あごに割れ目のある口蓋裂と合併して生まれることが多いですが、口唇裂単独で生まれることも少なくありません。日本では口唇口蓋裂の方は比較的多く、500人に1人程度の割合で認めます。
当院では、2022年現在、口腔外科、小児歯科や言語聴覚士を含めたチーム体制が整っていないため、口蓋裂のお子さんに対する治療には対応しておりませんが、口唇裂単独のお子さんや、口唇外鼻の二次修正目的の患者さんには、希望に応じて治療を行います。
口唇裂初回手術
片側不完全口唇裂術前・術後2年半
片側完全口唇裂術前・術後2年半
両側完全口唇裂術前・術後2年半
※筆者が他院で執刀した患者さまおよびご家族から承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。
当院では、原則として初回手術では外鼻形成術は行わず、装具による矯正のみを行います。 また、将来修正手術を行う可能性を考慮し、傷あとがあまり複雑な形にならないこと、初回手術で組織をできるだけ温存すること、立体感のある白唇を再建することを目標にしています。
二次修正手術
小児期 口笛変形の修正
他科で初回手術後のお子さんです。上唇結節の組織量が少ないため、口唇自由縁が△型になっています。
赤唇の組織の組み替えを行い、術後10カ月の状態です。比較的自然なM字形態となっています。
他科で複数回の修正手術が行われた方です。かなり不自然な形態になっています。
修正手術後7カ月の状態です。まだ左右差が残ってはいるものの、比較的自然な外鼻形態になっています。
※筆者が他院で執刀した患者さまおよびご家族から承諾をいただいて写真を使用しています。本HP以外への無断転載はお断りします。
(外来担当:笠井昭吾)