心臓血管外科

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは:足を栄養する血管が、徐々に狭くなってくる病気で、完全に詰まってしまうと足が壊死してしまい、足の切断も必要になってくる疾患です。

症状

足やお尻の冷感、痛み、しびれなど。歩くと症状が強くなり、休むと治る間欠性は行という症状が典型的です。

イメージ図 間欠性は行
原因

動脈硬化。特に喫煙との因果関係が強く、男性に多い病気です。
また糖尿病の既往がある方も重症になる傾向にあるので、注意が必要です。

治療

まず動脈硬化の予防が大切です。禁煙は症状を悪化させないためにも必要です。

1.薬物療法

症状が軽度の場合には血管拡張剤や抗血小板剤(血液をサラサラにする薬)を内服し、足の血流の改善を促します。
ただし一旦狭くなった血管が治るわけではないので、薬物治療には限界があります。

2.カテーテル治療

薬物治療で、症状が改善しない場合など、より重症な場合には、カテーテルを使って、直接狭い血管を、風船で広げたり、ステントという金属製の網上のチューブを血管内に留置して、長期に血流がたもてるようにします。
足の付け根(そけい部)に局所麻酔をして、大腿動脈からカテーテルを刺入し、治療します。
治療時間は通常約1-2時間ほどで、入院期間は約3日です。

3.外科的治療(バイパス術)

血管の狭い部分の形や、長さ、場所によっては上記の治療が困難な場合があり、その場合には狭い部分や詰まってしまった部分を迂回してその先に新たな血液の道を作ります。
患者さんのご自身の血管を使ったり、人工血管を使ってバイパス手術を行います。
基本的に麻酔は全身麻酔となります。手術時間は約2時間ほどで、入院期間は約1週間です。

イメージ図 カテーテル治療