4年
高齢者は、一人がいくつもの疾患を抱えます。
現在の科別臓器別に分化した医療は、高齢化社会のプライマリケアの場面では必ずしも患者さんのニーズに合っていません。
また、小児の救急には地域の内科医が対応できないので、都市部では小児は病院に集中し、地方では十分な経験を持たない医師が担当しなければなりません。
このたびミシガン大学家庭医学助教授の神保真人先生の御参加を得て、地域のニーズに合った医師を養成する目的で、内科、小児科、整形外科、皮膚科を研修する家庭医コースを新設しました。
このコースは栃木県の奨励事業にも認定されましたので、当院で小児研修を行った期間については貸付制度が適用になります。
1.1年次:4月 オリエンテーション
当院でオリエンテーションを行う。それには神保先生が参加する。
2.1年次:5月から翌年3月 家庭医学小児科プログラム
当院小児科はベッド数70をもつ比較的規模の大きい症例豊富な小児科で、以下のような特徴を有する。
一般の総合病院小児科としては全国でも数少ない先天性心疾患に対する治療、検査、手術のできる施設である。
近年、バルーン拡張術、動脈管コイル塞栓術、川崎病冠動脈病変に対するローターブレーター治療などのインターベンション治療にも力を入れている。心カテ、手術件数は県内トップである。
小児腎不全患者に対するCAPD、血液透析のできる施設である。市医師会と協力して、隣接の夜間休日診療所で1次救急を担当し、当院は全面的に2、3次救急のバックアップを行っている。
・神保氏の指導について
8月か9月に行われ、約3日程度の指導となる。
・オーバーワークと指導の質確保について
上級医との診療の中で指導が行われる。オーバーワークについては診療規模を縮小した現在、周辺医療機関との連携体制が取れているので問題ない。
・参考資料1
研修が終了するまでに経験する疾患名のリスト、神保先生から示されたもの(後記)
3.2年次:4月から2年間 家庭医学内科研修プログラム
当院内科で行われる。その間家庭医研修の継続性を保つために、小児科外来を週一回当院、小児科で継続して担当する。
当院内科は専門別の5病棟に分かれているので、勤務はその病棟をローテーションすることで行われる。
配属された病棟では所属診療科チームの一員として実績を重ねる。
研修期間中に老人医学研修として沖縄県の若松病院の研修を3ヶ月間行う。
これらの研修は内科専門医としての資格認定期間としてキャリアとなる。
4.4年次:整形外科、皮膚科、精神科診療科研修プログラム
済生会宇都宮病院か地域の専門診療所で行われる。
整形外科、皮膚科は院内の外来で研修を受けるが、精神科に関しては地域のクリニックでの研修を検討中である。
研修者の選択により他の診療科の研修は選択できるように考えている。
・神保先生の指導
神保先生に研修期間中継続して御指導いただくことが決定している。
家庭医研修としての一貫性を保つことが目的である。
神保先生はミシガン大学に助教授で在籍中のため、指導は年2回、来日のうえ宇都宮と大田原で行われ、正式な評価・フィードバックの機会を作っていただく。
時期は毎年、新研修医のオリエンテーションを兼ねた4月と、9月頃に3日間連続で行われる予定である。
現在の研修と家庭医療との相関性や、その他家庭医療学における諸々の質問等は、随時Eメールを通じて先生との連絡が取れる。
その他米国の家庭医学指導医のフィードバックも神保先生を通じて可能である。
・内科認定医、専門医、資格取得との関係
家庭医にはまだ専門認定制度がないので、初期研修終了後4年間を家庭医養成コースとするが、かわりに内科認定医の資格をとる希望があれば、その4年間で受験の資格を得ることができる。
内科専門医の資格をとる希望があれば、当院や地域の内科専門医認定病院を含めて1年間の研修をつけ加え、内科専門医資格を取る年限が得られるまで勤務することが出来る。
・当院の正規職員として採用の可能性
4年間の後期研修が終了した時点で定員の枠があれば、家庭医研修指導医、総合外来担当医として採用の可能性はある。
1.Schonlein-Henoch紫斑病
2.アレルギー性鼻炎
3.おねしょ
4.風邪
5.クループ
6.けいれん
7.思春期異常
8.小児の気道・咽頭感染症
9.小児の精神疾患
10.小児の皮膚疾患
11.成長・発育の異常
12.ヘルパンギーナ
13.便失禁
14.麻疹
15.予防接種
16.リウマチ熱
17.流行性耳下腺炎
18.リンゴ病
19.急性リンパ腺炎
20.急性胃腸炎
21.急性咽頭炎
22.急性関節炎
23.急性気管支炎
24.急性喉頭炎
25.急性上気道炎
26.急性脱水症
27.高血圧
28.細菌性食中毒
29.手足口病
30.小児のかぜ症候群・ヘルペス口内炎・クループ・急性扁桃炎
31.小児の過換気症候群
32.小児の気管支喘息
33.小児の頭痛
34.小児の尿路感染症
35.小児検診
36.新生児黄胆
37.水痘
38.髄膜炎
39.鉄欠乏性貧血
40.伝染性単核球症・腺熱・腺熱リケッチア症
41.突発性発疹
42.乳児下痢症
43.肺炎
44.発疹性感染症
45.反復性耳下腺炎
46.風疹
47.予防接種とその事故
48.喘息
※ただし、再診予約のある方は、午前11:00以降も自動再来受付機が
ご利用になれます。